#07 NPO法人 武蔵丘スポーツクラブ(吉見町)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第7回は、比企郡吉見町で活動するムサタンSCこと、「NPO法人 武蔵丘スポーツクラブ」をご紹介します。
クラブの高橋さんにお話をうかがいました。

高橋 こずえ 氏

武蔵丘スポーツクラブ

1991年1月13日生まれ
クラブに携わって8年目です。まだよくわからないことだらけですが、がんばってます!
趣味は、バスケットボール観戦。高校生のときからプロバスケよく見に行っています!

ー (愛称の)ムサタンSCの「ムサタン」は、武蔵野短期大学の「ムサタン」が由来なんですよね?

(高橋)そのままです(笑)。拠点もムサタン、運営するスタッフもムサタンの教員、学生、卒業生です。

ー これまで紹介してきたクラブと違い、大学の関係者が設立、運営を行っているクラブということで、少し毛色が違いますね。どういった経緯ではじめたのでしょう。

(高橋)武蔵丘短期大学は、栄養・スポーツマネジメントに特化した大学で、地域プログラムをはじめ、地域貢献にも力を入れています。大学の活動とは別に、もっとたくさんの地域の方に、より近い存在として関われるよう設立されたクラブです。

ー 設立に際し、困ったことはなかったですか?

(高橋)吉見町にはクラブがひとつもなかったこと、大学が行っていた講座をそのまま引き継いで、定期教室として活動をはじめたので、スムーズだった…と、思います。わたし個人は設立メンバーではないので、憶測です!吉見町にも住んでません!(笑)

ー (笑)でも、かえって「外部の人間であること」で、気づけることが多かったり、フットワークが軽くなったりするこってないですか?

(高橋)そうかもしれません。たとえば、吉見町には百穴をはじめ、古墳時代の貴重な史跡がたくさんあります。ノルディックウォーキングの教室ではただ歩くだけではなく、町の穴場スポットや、歴史に触れることができるコースを考えたのですが、まさに「外部の人間」だからこそできた発想かもしれないです。意外と地元の人も知らないことってありますよね。

ー なるほど。

(高橋)でも、普段は「自分は外部の人間」という意識はあまりなくて、会員の皆さんとわいわい他愛もない話で盛り上がったり、野菜をおすそ分けしてもらったり、気分としては吉見の住民です(笑)。

ー (笑)クラブの特徴を、地域の課題への取り組みなどとあわせて教えていただけますか?

(高橋)少子高齢化については私たちも考えざるを得ない問題です。吉見町では高齢者が全体の3割を占めているうえ、公共の交通機関が少ないので、教室に参加したいけれど交通手段の問題で断念している方が多くいらっしゃいます。町内の集会場で実施されているサロンに出向き、ボランティア活動を行っていますが、とても行き届いているとは言えない状況です。
クラブの一番の特徴は、大学の資源を活用できる点ですね。指導も、専門の知識を持った質の高いものを提供できていると思います。

ー 活動に参加している学生はどのくらいいるのですか?

(高橋)クラブの活動に参加すると単位取得につながるので、たくさんいます!(笑)

ー (笑)

(高橋)でも、はじめは単位取得のため、など、なんとなくはじめた学生も、地域の人々と直接関わるうちに変わっていきます。人と直接触れ合っていくうちに、はじめに思い描いていた進路が、より具体性を持ったものになって、最終的な進路を決める学生がほとんどです。

ー 最後に、クラブを運営するうえで大切にしていることを教えてください。

(土屋)会員の皆さんのことを考えること、スタッフ同士のコミュニケーションをしっかり取ること、そして何より、スタッフ自身が楽しむこと、です。生きがいを持って楽しみながら取り組む私たちの姿が伝わって、より心地良い居場所になって、クラブ全体がさらに生き生きとしたものになることが理想です。
小学生からエアロビクスを続けて、来春大学に進学する会員の子がいます。クラブを卒業する予定だったのですが、総合型クラブの運営に興味を持ってくれて、戻ってくれることになったんです。

ー 地域の人々のためになることが、スタッフ、学生自身のためになっている—。

(高橋)一番は、地域のみなさんが、楽しく、健康的に暮らせる手助けをすることです、サッカー教室意外は、高齢の方の参加が多いので、技術向上などを目指すのではなく、健康づくりにフォーカスして和気あいあいと活動しています。
夏休みにはプール教室、親子で参加できる自然体験教室など、子どものための教室も開催していますので、高齢者だけでなく、幅広い世代の方が参加し、楽しめて、健康に暮らせる力になれるよう、これからも頑張りたいです。

NPO法人 武蔵丘スポーツクラブ
事務局:埼玉県比企郡吉見町南吉見111-1 武蔵丘短期大学内SC事務局

【設立】2011年
【会員数】110名
【スタッフ数】10名
【男女比率】男性11%:女性89%
【主な教室】ヨガ/サッカー/ゴルフ/骨盤ストレッチ など
【WEB】musashigaokasportsclub.jimdo.com/

#06 NPO法人 スポーツ・サンクチュアリ・川口(川口市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第6回は、埼玉県川口市で活動する「NPO法人 スポーツ・サンクチュアリ・川口」をご紹介します。
クラブの土屋さんにお話をうかがいました。

土屋 一美 氏

スポーツ・サンクチュアリ・川口

気づけば10数年⁉当団体に関わっています。
総合型クラブのムードに惹かれ、また多くの方との出会いに感謝しながら日々の活動を楽しんでいます。

ー まず気になったのが、男女の比率で、会員のほとんどが女性です。これは意図した結果、このような男女比になったのでしょうか?

(土屋)クラブの設立のきっかけが、エアロビクスだったので、その流れで自然と…といった感じでしょうか。短期のエアロビクス教室を開催していたのですが、卒業生から「継続して活動したい」という声が多くあがったのがきっかけでクラブ化しましたので。たくさんの方に支えられて、平成15年にNPO法人へ、その翌年には総合型クラブになり、今に至っています。

ー クラブ化する際、「サンクチュアリ」という名前を選んだのには、どんな理由があるのでしょう?

(土屋)日常生活の中で、常に心をクリアな状態に保つことは難しいことです。ですから、せめてスポーツをするときは「心が純粋な状態で取り組める場所でありたい」また、「それを護ってゆきたい」という願いが込められています。

ー スポーツに打ち込んで元気になる、という習慣が会員のみなさんの日常生活の一部になっている、と。

(土屋)そうであれば本当に嬉しいです。わたしだけに限らず、スタッフ全員が会員のみなさんのことを考え、活動に取り組んでいます。他のクラブのスタッフの方も、会員の方への愛情はあると思いますが、想いの熱さはわたしたちが一番!と胸を張って言い切りたいと思います(笑)

ー (笑)

スタッフの気持ちが形になり、会員さんに伝わり、会員さん同士の輪も徐々に広がって、またわたしたちスタッフの元へ戻ってくる、という良い循環が生まれていますので、この循環が途切れることなく、輪がもっと大きくなってクラブ全体がもっと活気のあるものになるよう頑張りたいです。

ー ネガティブな面についても聞かせてください。設立からこれまでで困ったこと、クラブが抱えている課題といったものは何ですか?

(土屋)教室やサークルの活動拠点が定まらない、という課題はずっと抱えています。会員さんが口コミで伝えてくださって、それが会員さん同士の輪の広がりに繋がっている、という良い面もありますが、クラブとしては、今度、活動拠点も明確にし、きちんとPRしていきたいです。資金繰りについても課題はあります。委託事業や助成金に頼らざるを得ない部分はどうしてもあり、それが確保できなかった年は大変でした。

ー 課題について、活動している地域まで広げるといかがでしょう。

(土屋)川口には4万人を超える外国人が暮らしています。言葉の問題、生活環境の違いによって窮屈な暮らしを強いられている人たちの力にもなりたいです。
高齢化も進んでいます。すでに市とも協働して介護予防のクラスに力を入れていますが、一方で働き盛りの世代も着実に増えていますので、居場所づくりや健康づくりにも貢献できるよう、若い世代へのアプローチにも力を入れていきたいと思っています。

ー なるほど。高齢化についての取り組みで、何か実を結んだ例として具体的に挙げられるものがあれば教えてください。

(土屋)10年ほど前に、市の二次予防(病の早期発見・早期治療・進行を抑えるため努めること)教室を卒業して、自ら介護予防クラスを運営して運動を継続し、会員の核となって活動してくれている80代のおじいさんがいます。

ー それはすごいですね。

(土屋)受講して終わってしまう人も少なくありませんが、受講をきっかけに、さらにその輪を広げようという動きがあることは本当に嬉しいです。
川口市は「川口市介護予防ギフトボックス」という事業をおこなっていて、私たちも積極的に協力しています。市民が継続して介護予防クラスを受講できるシステムで、市民の方が安心して参加できる機会を提供していますので、これからも引き続き力になっていきたいと思います。

ー 最後に、クラブを運営するうえで大切にしていることを教えてください。

(土屋)会員の皆さんのことを考えること、スタッフ同士のコミュニケーションをしっかり取ること、そして何より、スタッフ自身が楽しむこと、です。生きがいを持って楽しみながら取り組む私たちの姿が伝わって、より心地良い居場所になって、クラブ全体がさらに生き生きとしたものになることが理想です。
小学生からエアロビクスを続けて、来春大学に進学する会員の子がいます。クラブを卒業する予定だったのですが、総合型クラブの運営に興味を持ってくれて、戻ってくれることになったんです。

ー 良い話ですね!スタッフの皆さんの気持ちを、しっかり受け取ってくれた、ということなのではないでしょうか。

(土屋)ほんとに嬉しい!すごく期待してしまっていますので、無意識に、プレッシャーをかけないよう気をつけて(笑)、もっともっと地域とクラブを盛り上げていきたいです。

NPO法人 スポーツ・サンクチュアリ・川口
事務局:川口市西青木5-5-19B.Bハウス302号

【設立】2003年
【会員数】420名
【スタッフ数】30名
【男女比率】男性10%:女性90%
【主な教室】介予防運動クラス/ウォーキングクラス/リハフィット/ヨガ/ピラティス など
【WEB】npo-sanctuary.jimdo.com/

#05 NPO法人 SCORE / 総合型地域スポーツクラブ SPROJECT F.C. (川口市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第5回は、埼玉県川口市で活動する「NPO法人 SCORE / 総合型地域スポーツクラブ SPROJECT F.C.(通称エスプロ)」をご紹介します。
クラブの関口さんにお話をうかがいました。

関口 翼 氏

特定非営利活動法人SCORE / 代表理事

〈指導歴〉フットメッセ川口元郷、レスト戸田FC他
〈選手歴〉FESTA FC/烏天狗フットサルクラブ他/元・フットサル埼玉県選抜

ー 会員の構成比を教えて頂きましたが、大人の会員がゼロ、小学1〜3年生の会員が半数以上を占めているという点は特徴のひとつですね。

(関口)様々な世代の人が参加し、交流するクラブが多いと思いますが、わたしたちは、「子どもたちのため」という点に特化したクラブです。「心技体の徹底追及 / 自主自立した人格者の育成」をモットーとして掲げていて、スポーツを通じて子どもたちの成長を手助けしたいと思っています。

ー 川口は大きな街で人口も多く、競合するクラブも多いと思いますが、差別化を図るうえで意識して行っていることを教えてください。

(関口)川口市放課後子供教室、SPROJECT F.C.(サッカークラブ・サッカースクール)、SPROJECT B.B.(バスケットスクール)を運営していますが、特にわたしたちのクラブがある地域は強豪チームやスクールの数も多く、はじめのうちは生徒数を増やすことに大変苦労しました。
例えば、SPROJECT FCでは、年間の指導計画をきちんと作り、環境もふくめて、納得し、満足してもらえるものを提供できるよう、スタッフの皆で意見を出し合いながらクラブを運営しています。
また、シングルで子育てを頑張っている方や、仕事が忙しい方の送迎の負担を減らすために、送迎サービスを行ったりするなど、保護者の方にも満足していただけるような取り組みも行っています。
ちなみに、送迎バスはAI搭載です。

ー AI搭載?

(笑)雑に言い過ぎました。正確には、「ナウト」というAIドライブレコーダーを積んでいます。保護者の方の不安を減らすための取り組みのひとつとして、位置情報が確認できる「モークル」とあわせて、送迎バスに導入しました。

ー なるほど。
子どもたちのことついて聞かせてください。実際に日々、子どもたちに向き合う中で、気づいたこと、そのうえでどんなことを大切にしていますか?

(関口)参加してはじめのうちは、話を聞けない子や挨拶がきちんとできない子が割といますね。
学校や地域の大人に話を聞いてみても、そういった子が少なくないと聞きます。
スポーツの上達以前に、「人の話はきちんと聞く」「きちんと挨拶をする」といった、当たり前のことをきちんと出来るようになってもらえるよう指導を行っています。
また、「感謝」を忘れないように、ということも伝えています。
これは、自分たちにも言い聞かせていることです。
子どもたちにとってのわたしたち、わたしたちにとっての子どもたち、お互いが存在しなければ成り立ちません。
ついそれが「当たり前」になってしまいがちですので、常に感謝の気持ちを忘れるずにいれるよう心がけています。

ー 今後の取り組みについて、新しくはじめたいことや、さらに力を入れたい点などがあったら教えてください。。

(関口)地域の方々との交流をもっと増やせればいいなと思います。昔から暮らしている人と移住してきた人との交流がなかったり、地域の活力が弱まっていると感じることもありますので、そういった点でも、わたしたちが架け橋となったり、助けになるような存在になれたら良いなと思います!

NPO法人 SCORE / 総合型地域スポーツクラブ SPROJECT F.C.
事務局:埼玉県川口市坂下町1-8-16 monparte406

【設立】2011年
【会員数】150名
【スタッフ数】30名
【男女比率】男性76%:女性24%
【主な教室】放課後教室/サッカー/バスケットボール
【WEB】〈法人HP〉scorez.org
〈クラブHP〉sproject-fc.org / http://sproject-bb.org/

#04 NPO法人 神流川スポーツクラブ (本庄市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第4回は、埼玉県本庄市で活動する「NPO法人 神流川スポーツクラブ」をご紹介します。
理事長の小林さんにお話をうかがいました。

小林 聰 氏

NPO法人神流川スポーツクラブ 理事長
1944年生まれ/
フランスベッド販売(株)退社後独立。1998年、神流川スポーツクラブを設立。2003年にNPO法人化。
妻と娘2人。

ー 埼玉と群馬、両県の県境を流れる神流川両岸の地域を含めて活動されていますが、拠点とされている本庄市に絞ってお話を伺えればと思います。どのような特徴がある街ですか?

(小林)歴史的に見ると、江戸時代には中山道の宿場町の中では最も栄えたまち、として知られているかなと思います。電車の路線、道路とも充実していて、北部に位置してはいますが、例えば本庄早稲田駅から東京駅までは50分で行けるなど、交通の利便性は高いと思います。自然災害も少なく、自然環境にも恵まれた住みやすい場所で、人口も8万人を超えています。
ですが、15年後には4人に1人が後期高齢者になる、という人口予測があり、本庄でも少子高齢化は課題です。

ー 高齢化も、ほとんどの地域が抱えている課題ですね。

(小林)そうですね。本庄では、行政と早稲田大学が協力して、「市民ひとり1スポーツ」という理念の元に、幅広い層の市民がスポーツに取り組めるような環境づくりに取り組むなど、高齢化に対するアプローチを行っています。

ー 高齢化に限らず、クラブとして抱える課題、それに対して行っている取り組みを教えてください。

(小林)合併をして、より広い街にはなりましたが、なぜか場所がありません(笑)。例えば、サッカーではフルピッチのグラウンドがありませんし、フットサルをしようにも、市内の体育館は学校も含めすべてフットサルが禁止されています。陸上競技場もありませんので、規模の大きなイベントや大会をおこなうときは、市外の施設を使わざるを得ない…。

ー それは意外です。

(小林)私たちが大規模な会場を作ることはできませんので、市のワークショップや意見交換の場には積極的に参加してますし、大会やイベントには市や県の議員を招いて、実際の活動を見てもらった上で環境の向上を提案するなどしています。

ー 場所がない、という例で真っ先にサッカーが挙がりました。

(小林)私たちのクラブの、はじめの一歩はサッカー教室でした。
市内に暮らしていた在日ブラジル人の方々から、「お世話になっている日本に社会貢献したい」という相談をされ、地域の子どもたちに向けて、本場ブラジル仕込のサッカー教室をひらいたことがはじめの一歩でしたので、サッカーには思い入れが強いかもしれません。

ー なるほど。

(小林)クラブの最大のイベントもサッカー大会(K.S.A. SUPER CUP)です。参加チームも徐々に増え、今年は1都6県から75チームがエントリー、来場者も2,000名を超えました。関わってくださる人の数も増えたこともあり、さらに何かできないか、ということで、オリジナルタオルを販売し、利益をすべて寄付するチャリティーもはじめました。
その他にも、Webでの試合の速報配信やドローンでの空撮など、面白うそうなアイデアは積極的に取り入れて実行しています。
将来的には100チーム参加を目指し、次回以降も新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

ー クラブを運営するうえで、大切にされていることは何ですか?

(小林)孔子の言葉で「其恕可(それじょかな)」という短い一言があります。「恕(じょ)」とは、思いやり、という意味で、この精神をいつも大切にしていますし、これからも変わらずに大切にしていきたいです。
やはり会員の方々に喜んでもらえる/満足してもらえるクラブでありたいですから。

ー 満足度の高いクラブであるために必要なことは何だとお考えですか?

(小林)環境を整えたり、やれることを増やすためには、資金はどうしても必要で、このことは課題のひとつでもあります。
ですが、一番はスタッフの成長だと思います。
長く在籍し、クラブに力を貸してくれ、同時に自分が力をつけて成長する。これは本当に嬉しいです。
スタッフが成長し、視野を広げ、行動する幅も広がり、力がつくことがクラブの成長にもつながり、結果として会員の方の満足につながると考えています。

NPO法人 神流川スポーツクラブ
事務局:埼玉県本庄市前原2-11-8

【設立】2003年
【会員数】1152名
【スタッフ数】4名
【男女比率】男性75%:女性25%
【主な教室】サッカー/ベリーダンス/フラメンコ/空手/スンバ/健康麻雀など
【WEB】〈クラブHP〉www.k-sc.jp

#03 リ・ボーンはすだ総合型地域スポーツクラブ (蓮田市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第3回は、埼玉県蓮田市で活動する「リ・ボーンはすだ総合型地域スポーツクラブ」をご紹介します。
クラブ代表の富田さんにお話をうかがいました。

富田 康夫(とみた やすお)氏

リ・ボーンはすだ総合型地域スポーツクラブ 会長
「中学生時代に器械体操部に所属し、運動・スポーツ、それもが教えるよりもやる方が大好きです。現在も会社帰りに、週1回程度、体操教室に通っていまーす」

ー クラブの設立のきっかけから教えてくださいますか。

(富田)中学校時代には器械体操をやっていたこともあり、体を動かすことは大好きなのですが、大人になってからは完全に運動不足で。まずはそれを解消したい。どうせやるなら、仲間と楽しく運動したい。そして、私は生まれも育ちも蓮田なのですが、地域貢献という点で考えると、それまで何もしてこれなかったので、あわよくば、地域に貢献したい。…というわけで、数名の仲間と一緒に準備をはじめたのが、そもそものきっかけです。

ー 設立はスムーズに進みましたか?

(富田)いいえ(笑)。副会長の石井が、当時興味を持っていた総合型地域スポーツクラブとしてスタートすることに決めましたが、なにせ基盤となる組織もグループもサークルありませんでしたから、まったくのゼロからのスタート。スタッフを集めること、人を集めることに大変苦労しました。

ー 会員を集めることもそうですが、スタッフ集めに苦労しているクラブも多いですね。

(富田)スタッフを集めることは今も苦労しています。設立当初に中心となってくれたスタッフが辞めてしまったり…。指導者兼任のスタッフがほとんどですので、スタッフが一人減ることは、指導者も一人減ることになるわけで。それによって教室の存続が難しくなってしまう、ということも課題です。

ー 人不足は、社会全体が抱える問題ですよね。簡単には人が集まらない中で、視点を変えたり、規模を変えたり、やり方を変えたりといった工夫が必要な時代になっている、とも言えると思いますが、そういった点でクラブで変えたこと、あるいは特に大事にしていることなどはありますか?

(富田)月並ですが、ほうれんそう(報告・連絡・相談)はこれまで以上に大事にしています。普段会えませんから、密に連絡を取り合うこと。それから、「少ないスタッフだって何でもできる!」ということで、目標を共有して一体感を持って運営できるよう心がけています。実際には「何でもできる!」わけではないので「何でもできる!?」ですが(笑)

ー (笑)

(富田)女性スタッフがほとんどですので、女子力に頼れることも大きいです。
女性の力には、男性にはない〈しなやかさ〉がありますから。

ー そうですね。

(富田)会員の方にとって、ということで考えると、やはりなんと言っても、魅力のあるクラブであり続けることが大事です。
そのために、とにかく「声」をきちんと聞くこと。これはクラブと会員の方をつなぐ、もっとも大切なことだと思います。
ですから、会員の方が意見やアイデアを伝えやすい環境をつくり、実際に頂いた意見やアイデアは、できるだけたくさん取り入れるようにしています。

ー では、質問を変えて。これまでクラブを運営してきて、印象に残っていることはなんですか?

(富田)たくさんありますが、節目ということで考えると10周年イベントですね。
おかげさまで昨年度、創立10周年を迎えることができ、記念の発表会を行ったのですが、小さなクラブのささやかなイベントにも関わらず、市長はじめ、本当にたくさんの方に祝っていただきました。
10周年ということで、気合を入れて準備したので、喧々諤々の議論もありましたが、当日は、客席に座りきれないほど、予想を遥かに超える数の方にお越しいただき大変盛り上がりました。
ゼロからスタートして、乗り越えてきたことを思い起こすと、感無量です。

ー そうだったのですね。おめでとうございます!

(富田)ありがとうございます。
あれほどたくさんの方に来ていただけた、ということは、学校や他の団体との協働を積極的に行ってきた成果の表れのひとつだと受け止めて、喜んでいます。

ー 地域への貢献という点でも、成果が出ているということですね。

(富田)そうであれば本当に嬉しいです。
リボーンというクラブ名は、活動を通じて「生まれ変わる」という意味に加え、結び目である「リボン」というモチーフも合わさったものです。
人とひとが協力しあって、結ばれる大きなリボンのようなクラブであれるよう、これからも活動していきたいと思います。

リ・ボーンはすだ総合型地域スポーツクラブ
事務局:埼玉県蓮田市馬込

【設立】2009年
【会員数】326名
【スタッフ数】19名
【男女比率】男性%:女性%
【主な教室】ズンバ/ヨガ/ピラティス/ちびっこ体操/トランポリン/親子体操など
【WEB】〈クラブHP〉rebornhasuda.com
〈ブログ〉ameblo.jp/reborn-hasuda
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