#02 リリー・アスレチック・クラブ (川口市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第2回は、埼玉県川口市で活動する「NPO法人 リリー・アスレチック・クラブ」をご紹介します。
クラブ代表の市村さんにお話をうかがいました。

市村 孝志(いちむら たかし)氏

NPO法人 リリー・アスレチック・クラブ クラブ・マネージャー
「2019年5月時点で62歳の男子です!高校時代にラグビーを始めて、ラグビーからいろいろなことを学びました。痛みを伴うスポーツですが、それゆえ味方を支え、相手に尊敬の念を持つ素晴らしい競技です。子供を育てるスポーツとして地域に根差したいと思い、仲間と協力してクラブを運営しています」

ー まずクラブ名について聞かせてください。「リリー」というポップな響きの言葉と「アスレチック」という言葉の組み合わせが印象的だと思うのですが、由来や込められた意味などがあれば教えてください。

(市村)ストレートに「スポーツ」ではなく「アスレチック」と名付けたのは、日本最古のクラブである「横浜カントリー&アスレチッククラブ=YCAC」の名前を意識したからです。
高校時代からラグビーをやっていて、ラグビーのチームを作ろうと思ったことが(クラブ設立の)きっかけなのですが、せっかく作るなら、自分たちがただ楽しむだけでなく、地域に貢献できる「クラブ」にしたい、という思いがありました。
そこで頭に浮かんだのがYCACで、川口市の花である「ユリ(=リリー)」と組み合わせて「リリー・アスレチック・クラブ」と名付けました。

ー なるほど。リリーは川口の市の花だったのですね。鋳物の街として有名な川口市ですが、市村さんは川口をどのような視点で眺めていますか?

(市村)すぐ隣が都内で利便性が高く、都内や他県からの移り住む人も増えています。
一方で1人世帯が圧倒的に多く、高齢者や外国人の1人世帯が集中している地域もあり、コミュニティのつながりが希薄になりがちな街だと思います。
昔からの伝統的な祭りや行事もあまりありませんし、自宅と勤め先との往復だけで、ここできちんと暮らす、というのではなく「ただ川口に居るだけ」という感覚の人も少なくないような気がします。これはすごく寂しい。
コミュニティづくりのアプローチの方法は色々あると思いますが、私たちは、もともとのきっかけだったラグビーを通じて、現状を変えられるよう頑張っています。

ー 今年(2019年)は、ラグビーワールドカップが日本で開催されます。あらため、ラグビーのもつ魅力について聞かせてください。

(市村)ラグビーには色々な可能性が秘められていると考えていますが、最も優れた魅力だと思うのは、「人に優しい情熱的な人間を育てる」という点だと思います。
ラグビーは体をぶつけ合うハードなスポーツですから、人を情熱的にします。
そして、体をぶつけあうからこそ、「ルールを守る」という原則が、「大切にされている」という言葉では足りないくらい、非常に大切にされています。
ラグビーの持つフェアプレー精神は、チームメイトだけでなく、闘った相手を尊敬する気持ちを生むことができます。これが人への優しさにつながります。
でも、何より一番は、これほど楽しいスポーツは他にありません(笑)。

ー (笑)

(市村)日本のスポーツの世界は非常にレベルが高く、いわばスポーツ先進国です。
けれど、スポーツを「楽しむ」ということについては、後進国だと思っています。

ー なるほど

(市村)指導者が「勝ち」にこだわった結果、色々なものを犠牲にして「楽しむ」ことを見失ってしまったという、苦い経験もしています。
勝ち負けがどうでもいい、という話ではありません。
負けるよりは、勝つほうが良い。
そのために練習に取り組み、トップチームは直近の県大会で、2年連続で決勝に進んでいます。
けれど、勝ちだけを目的にして楽しめなくなってはおしまい、私たちの活動はなんの意味もなくなってしまいます。
まずは楽しむこと!
トップチームからシニアチームへ、お母さんはタッチラグビー、など、老若男女問わずラグビーを楽しんで貰える環境を整えられてきたことは、とても嬉しいですし、誇りに思います。

ー 最後に、今後の目標をお聞かせください。

(市村)少し堅苦しくなりますが、ラグビーの競技規則の初めに書かれているラグビー憲章、〈品位〉〈情熱〉〈結束〉〈規律〉〈尊重〉の精神を、地域の皆さんに広げてゆく活動を続けたいです。

ー 堅くないバージョンもお願いします!

(市村)(笑)ラグビーを中心にしたコミュニティづくりを、とにかく続けていくこと、です。ラグビーを心の底から楽しんで、仲間をつくり、ここがみんなの「ふるさと」になれたら良いなと思っています!

NPO法人 リリー・アスレチック・クラブ
事務局:〒333-0848 埼玉県川口市芝下1-2-12

【設立】2007年
【会員数】342名
【スタッフ数】理事:17名
【男女比率】男性83%:女性17%
【主な教室】ラグビースクール、ラグビーチーム、タッチラグビーチーム等ラグビーを中心に、卓球サークル、ランニング教室、シニアの体操教室など
【WEB】〈ラグビースクール〉rugby.lily-athletic-club.com/
〈クラブHP〉lily-athletic-club.com/

#01 NPO法人 白岡スポーツクラブ (白岡市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第一回は、埼玉県白岡市で活動する「NPO法人 白岡スポーツクラブ」をご紹介します。
クラブ代表の田口嘉章さんにお話をうかがいました。

田口 嘉章(たぐち よしあき)氏

NPO法人 白岡スポーツクラブ 代表理事
1954年生
白岡市の職員として務めるかたわら、白岡スポーツクラブの前身ジュベニール白岡スポーツ少年団を設立、運営。
大の愛犬家。

ー はじめに、白岡市の特徴や魅力を教えてください

(田口)白岡市は今年(2017年)で、市制5周年を迎えました。
小さな街ですが、JRの駅も2つあり、地理的に圏央道や東北自動車道のICも近く、関東圏の東西南北どこへでも車で移動しやすい環境ということもあって、暮らしやすい街だと思います。
白岡市は昔から「梨」の産地としておいしい梨を生産していますし、県内では2番目に大きい沼「柴山沼」があって、日々釣り人達でにぎわっています。

ー 設立のきっかけは何だったのでしょう

(田口)平成7年にサッカーチーム「ジュベニール白岡スポーツ少年団」を設立しましたが、その頃から将来的に総合クラブの設立を意識していました。
少年サッカーのクラブに〈サッカークラブ〉と、特定の名称を付けなかったのもそういったビジョンがあったからです。
おかげで、白岡スポーツクラブと名称をあらためた今でも「ジュベの田口」とか「団長」と呼ばれていますが(笑)
ありきたりかもしれませんが、クラブをつくって、地域に貢献する活動を展開したいと考えていたのが設立の理由です。

ー 名前も変え、総合型のクラブへと変わる際に困ったことはありますか

(田口)いずれ総合型クラブとして活動したい、という考えはあったものの、やはりスタートがスポーツ少年団だったこと、少年団として10年間活動していたことで、運営の違いを理解してもらうことに時間がかかりましたね。
少年団活動の延長というふうに捉えられてしまっていたので、そこは難しかったです。

ー 少年団として10年間の活動実績があったことが、かえって難しい部分も生んでしまった

(田口)ただ、それよりも10年間親しまれていたことで、活動も広く認知されていましたし、たくさんの仲間もいましたので、良いことの方が多かったです。
地域で少年団の活動を積み重ねた10年間というものは私たちの強みだと思います。
たとえば、毎年冬には地元小学校を活動場所として利用している他の団体に声をかけて、校庭へ塩化カルシウムの散布をしていますが、そういった、クラブは違っても同じ仲間同士として連携した活動というものを、率先して計画、実行できるのもその10年間でできた人との繋がりがあるからだと思います。

ー クラブのモットーや、活動していく上で心がけていることがあれば教えてください

(田口)「新しいことに積極的にチャレンジ!」をモットーにしています。
白岡市もご多分に漏れず少子高齢化が進んでいて、わたしたちのクラブの会員も、全体の13%が60代以上です。
なかなか「これ!」といった良い知恵が生まれないのですが、今年は新たに、出かけるのが困難な高齢の方のために、これまでのように会場に集まってもらうのではなく、こちらから出向くカタチでサポートできる取り組みをしようとみんなで計画を進めています。
また、子どもだけが参加するものだけでなく、お母さんのための、親子で参加できるピラティス教室や白岡チビリンピックを主催していますが、そういった親子で楽しめる教室やイベントも増やしていきたいと思っています。
ただ、指導者やスタッフの確保が結構厳しい(笑)

ー せっかく良い案がでても、指導者やスタッフがいないと開催できませんものね

(田口)そう。
今一番困っているのはそこですね。
企画もあってニーズもあるのに、提供できないというのはもどかしいですね。

ー 色々なハードルはあると思いますが、やりがいや、やってて良かったと思える瞬間はどういう時ですか

(田口)「ありがとう」を言ってもらえた時です。
意識的にせよ潜在的にせよ、皆さんの「あったら良いな」を私たちが提供できて、それに参加してくれた人が喜んでくれることが一番うれしいです。
そうなるともっと喜んでもらえることをしたくなる(笑)。
幸いにも東武動物公園がすぐ近くにあるので、毎年1回、そこをクラブで貸し切り、乗り物乗り放題のイベントを開催しています。
皆さんからもらった「ありがとう」へお返し、という意味もこめて開催していますが、とても好評です(笑)。

ー 最後に、抱負やこれからの目標を聞かせてください

(田口)これまでもそうですが、参加してくれた人が楽しめる環境をつくること、これが一番大事です。
もちろん運営側は、お金のことや先ほどの指導者やスタッフの問題など、頭を悩ませることも多いですが、そういったハードルも力を合わせて、知恵を出し合って乗り越え、たくさんの「楽しい!」が生まれるものを提供し続けていきたいです。
「楽しい!」が増えれば、自然とその分、地域への貢献も増えると信じています。

NPO法人 白岡スポーツクラブ
事務局:埼玉県白岡市高岩1026-2

【設立】2006年
【会員数】217名
【スタッフ数】28名(うち運営スタッフ16名)
【男女比率】男性57.6% : 女性43.4%
【主な教室】少年サッカー/ミニバスケ/ハタヨガ/太極拳/バウンドテニス/親子ピラティス
【WEB】www.shiraokasc.com/

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