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特集

#04 NPO法人 神流川スポーツクラブ (本庄市)

埼玉県内で活動するスポーツクラブをご紹介するこのコーナー。
第4回は、埼玉県本庄市で活動する「NPO法人 神流川スポーツクラブ」をご紹介します。
理事長の小林さんにお話をうかがいました。

小林 聰 氏

NPO法人神流川スポーツクラブ 理事長
1944年生まれ/
フランスベッド販売(株)退社後独立。1998年、神流川スポーツクラブを設立。2003年にNPO法人化。
妻と娘2人。

ー 埼玉と群馬、両県の県境を流れる神流川両岸の地域を含めて活動されていますが、拠点とされている本庄市に絞ってお話を伺えればと思います。どのような特徴がある街ですか?

(小林)歴史的に見ると、江戸時代には中山道の宿場町の中では最も栄えたまち、として知られているかなと思います。電車の路線、道路とも充実していて、北部に位置してはいますが、例えば本庄早稲田駅から東京駅までは50分で行けるなど、交通の利便性は高いと思います。自然災害も少なく、自然環境にも恵まれた住みやすい場所で、人口も8万人を超えています。
ですが、15年後には4人に1人が後期高齢者になる、という人口予測があり、本庄でも少子高齢化は課題です。

ー 高齢化も、ほとんどの地域が抱えている課題ですね。

(小林)そうですね。本庄では、行政と早稲田大学が協力して、「市民ひとり1スポーツ」という理念の元に、幅広い層の市民がスポーツに取り組めるような環境づくりに取り組むなど、高齢化に対するアプローチを行っています。

ー 高齢化に限らず、クラブとして抱える課題、それに対して行っている取り組みを教えてください。

(小林)合併をして、より広い街にはなりましたが、なぜか場所がありません(笑)。例えば、サッカーではフルピッチのグラウンドがありませんし、フットサルをしようにも、市内の体育館は学校も含めすべてフットサルが禁止されています。陸上競技場もありませんので、規模の大きなイベントや大会をおこなうときは、市外の施設を使わざるを得ない…。

ー それは意外です。

(小林)私たちが大規模な会場を作ることはできませんので、市のワークショップや意見交換の場には積極的に参加してますし、大会やイベントには市や県の議員を招いて、実際の活動を見てもらった上で環境の向上を提案するなどしています。

ー 場所がない、という例で真っ先にサッカーが挙がりました。

(小林)私たちのクラブの、はじめの一歩はサッカー教室でした。
市内に暮らしていた在日ブラジル人の方々から、「お世話になっている日本に社会貢献したい」という相談をされ、地域の子どもたちに向けて、本場ブラジル仕込のサッカー教室をひらいたことがはじめの一歩でしたので、サッカーには思い入れが強いかもしれません。

ー なるほど。

(小林)クラブの最大のイベントもサッカー大会(K.S.A. SUPER CUP)です。参加チームも徐々に増え、今年は1都6県から75チームがエントリー、来場者も2,000名を超えました。関わってくださる人の数も増えたこともあり、さらに何かできないか、ということで、オリジナルタオルを販売し、利益をすべて寄付するチャリティーもはじめました。
その他にも、Webでの試合の速報配信やドローンでの空撮など、面白うそうなアイデアは積極的に取り入れて実行しています。
将来的には100チーム参加を目指し、次回以降も新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

ー クラブを運営するうえで、大切にされていることは何ですか?

(小林)孔子の言葉で「其恕可(それじょかな)」という短い一言があります。「恕(じょ)」とは、思いやり、という意味で、この精神をいつも大切にしていますし、これからも変わらずに大切にしていきたいです。
やはり会員の方々に喜んでもらえる/満足してもらえるクラブでありたいですから。

ー 満足度の高いクラブであるために必要なことは何だとお考えですか?

(小林)環境を整えたり、やれることを増やすためには、資金はどうしても必要で、このことは課題のひとつでもあります。
ですが、一番はスタッフの成長だと思います。
長く在籍し、クラブに力を貸してくれ、同時に自分が力をつけて成長する。これは本当に嬉しいです。
スタッフが成長し、視野を広げ、行動する幅も広がり、力がつくことがクラブの成長にもつながり、結果として会員の方の満足につながると考えています。

NPO法人 神流川スポーツクラブ
事務局:埼玉県本庄市前原2-11-8

【設立】2003年
【会員数】1152名
【スタッフ数】4名
【男女比率】男性75%:女性25%
【主な教室】サッカー/ベリーダンス/フラメンコ/空手/スンバ/健康麻雀など
【WEB】〈クラブHP〉www.k-sc.jp